
今回はめずらしく映画の紹介です。
2003年に劇場公開された『リベリオン』。
かなりマイナーな映画だとは思いますが、近未来SFアクションもので『マトリックス』シリーズと比較されることも多いようです。
ストーリーは近未来の世界で、争いを引き起こす原因となる人間の感情は害悪とされて薬物により抑制され、また絵画や書物などは感情を呼び覚ますものとされ発見しだい焼却処分。
もちろん所持していた人間は「感情規制違反者」として即刻処刑されます。
古典SF好きの方ならおわかりと思いますが、これはレイ・ブラッドベリの『華氏四五一度』とほぼ同じ設定なんですね。
あくまで別物として映画化されていますが、インスパイアされているのは制作者たちも隠そうとしていません。
そして主人公は焚書官ならぬ「グラマトン・クラリック」という拳銃格闘技の達人。
彼もまた薬物により感情を無くしていますが、不注意から薬の注射を止めたことにより徐々に人間性を取り戻していくのですが、この過程がなかなか秀逸です。
とくに中盤、感性が戻りつつあるところへ「感情規制違反者」のアジトでベートーヴェンの交響曲第9番のレコードを聴き、涙を流すシーン。
感情の再生と人間としての復活……といったおもむきで、わたしも思わず涙してしまいました。
主人公は妻が「感情規制違反」により処刑されていて、なにかそのあたりもわたし自身の離婚による喪失感と共感してしまう部分があったようです。
それにしてもやっぱりベートーヴェンの第9はいいですね。
わたしはいまだに出だししか収録されていないCDしか持っていないのですが、こんどは最終楽章まで聴いてみたいと思います。

