●2007年11月15日再読

この本は当時、すでにうつ病と診断されていた妻が自分で買ってきて読んでいたもの。
わたしも(このときは自分もうつ病とは思わなかったので)妻の助けになれば、と読んでみました。
副題に「つらい時」をやり過ごす心理学とあり、帯にも真面目にがんばっているのに、なぜか報われない。そんなあなたに贈るメンタルヘルス読本。などと書いてあり、けっこう期待して読みました。
著者の加藤諦三という人は日本精神衛生学会理事、産業カウンセリング学会理事、といった肩書きをお持ちで、この本の内容もやたら理屈っぽいところはあるものの考え方が参考になる部分はあります。
ですが、この人のうつ病に対する根本的な考え方は好きになれません。
いわく、「幼児体験時からの愛情飢餓感がうつになる要因である」と。
それが正しいにしても、そんなものいまからどうしろというんだ、という反発を覚えました。
もっとも、そうした人たちがうつになった場合に「こうすれば楽になりますよ」という提案はいくつかなされています。
・小さいころから真面目人間すぎた人は会社を休んで少し遊んだほうが最後には仕事でも伸びる
・周囲の人に迷惑をかけても、とにかく休もう
・自分の心に響く音楽や本を見つける
など、文章がかたいので読みにくいですが、いくつかの「心を休ませるヒント」は教えてくれます。
上記以外にもいろいろとあるのですが、論文的な文章で「こうしたらいい」と書かれても、「そうしたいができないのがつらいのだ」というわれわれうつ病患者の気持ちを本当に理解してくれているのか不安になります。
総じて、「心の休ませ方」というよりは「あなたはこういう人間だからうつになったのだ」という分析的な文章が多く、読むのが面倒な本です。
著者がどれだけのうつ病患者をカウンセリングしてきたのかは知りませんが、やはりうつはうつになったものにしかその気持ちはわからないのかもしれません。
その点でいくと、夫婦でのうつ病闘病記『ツレがうつになりまして。』のほうが当然真に迫って心に響くものがあります。
きちんと自己を分析し、自分がうつになった原因は何なのかと突き詰めたい人にはよいのかもしれません。
もっとも、そうやってあまり几帳面にものごとを考えすぎることこそうつ病になる素養のような気もしますが。
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