ついさきほどまで、ふとんで横になりながらたいへん不思議な体験をしたので記しておきたいと思います。
今日、というか昨日(20日)は夕方から頭がクラクラしてひどい気分でした。
こうした状態は、休職前と、休職直後の数週間以来久しぶりのことでした。
20日23時30分ごろ、眠気はないのですが不快な頭痛と体の浮遊感による気分の悪さに耐えかねて床につきました。
しかし、横になってもまるで頭の不快感は楽になりません。
眠気はなかったので本でも読もうと思っていたのですが、あきらめていつものようにiPodで音楽を聴きながら、なんとか眠りにつこうとしてみました。
しばらくヒーリング・ミュージックを聴いていると、ふと「このひどい気分は、一昨日から別れた妻に対して恨みがましい気持ちを抱いているせいかな」という想いが頭をかすめました。
すると突然、眉間を中心に頭の不快感が楽になり始めたのです。
それは、知らぬ間に寄せていた眉間のしわが、ゆっくりと解きほぐされていく感覚でわかりました。
そのときわたしの脳裏に浮かんだ言葉は、「愛されたければ、愛さなければならない」、「原因と結果の法則」、「鏡の法則」……だったと思います。
そういえば、うつが悪化してからは妻に対してきちんと愛情を示すようなことはなかったな……そんな自分の過去の状況が思い起こされました。
「あれでは、彼女が愛想を尽かして出ていくのもしかたがない」
そんな風に考えながら、元妻に対する恨みの気持ちが消えていくのと同時に、眉間を中心に不思議な感覚が広がりはじめました。
最初は、痛みかと思いましたがそうではありません。
だんだんとわかってきたのですが、呼吸とともに眉間が開いたり閉じたりしているような感じなのです。
そしてその感覚が痛みではなく、すこしずつ頭痛を鎮めていってくれているものだとわかると、だんだんとその「眉間の空間」が大きくなりはじめているのに気がつきました。
呼吸はどんどんゆったりとしていき、息を吸い込むたびに「眉間の空間」が広がっていきます。
この「空間」のなかは空っぽなのかな……そう考えたとたん、そうではないことがわかりました。
なんとも形容しがたいのですが、そこにはたしかに「なにか」がありました。
「空間」はどんどん大きくなり、左右は眼窩の外側の端にまで達しました。
上方向はというと、最初は額の頂点までいって全体で三角形を形づくり、その後も頭頂部へと広がっていく感じです。左右は眼窩の端で止まったままでした。
下部へは、眉間からちょっと下がった鼻梁の一番落ちくぼんだ位置で止まっています。これは最後まで変わりませんでした。
頭の上部へはまだ「空間」が広がっていきます。
やがて頭痛がすっかり治まるころには、枕に押しつけられた後頭部以外の頭蓋骨はすっかりなくなってしまったような感じでした。
頭の感覚の変化が一定すると、今度は手足の異変に気がつきます。
まず両腕が重くなり、まったく動きません。
固いゴムになったように思えた腕の感覚が消えていき、ついにはその位置すら自分自身でわからないような状態になりました。
そこで、次は脚に意識を向けてみます。
やはり腕と同じように溶けて消え去ったような感じでしたが、足首は湯たんぽの熱を感じているせいか感覚があります。
しかし、太ももの中ほどから足首まではなにもなくなってしまったようでした。
「手足が重く感じたりしたということは、もうすぐ眠りに落ちるということかな……」
そうも思いましたが、意識はやけにはっきりとしたままです。
しかし、体は全く動きません。
いつしか、脚のほうもその位置、存在すらわからなくなりました。
両腕はあいかわらずなくなっているような、あるいは果てしなく遠くまで伸びていくような感じです。
わたしはいわゆる金縛りなどの体験はありませんが、眼を開けられれば金縛りが解ける、と聞いたことがある気がしました。
そこで眼を開けてみます。
普通に開くことができます。
眼を動かして、周囲の状況を見てとることもできます。
しかし、やはり体のほうはまるで動きません。
そのうち、「体が動かないのではなく、動かしたくないのだ」ということに気がつきました。
眉間から広がる不思議な感覚と合わせて、すくなくともうつ病になってからは味わったことのない心地よさが、全身に充ち満ちていたからです。
そのまましばらく奇妙な心地よさを味わっていると、頭だけがごくわずかにゆっくりと左右に揺れていることに気づきました。
やがて、それは眼球の動きに連動していることもわかりました。
レム睡眠にはいると眼球が左右に動く、とも聞いたことがあります。
しかし意識ははっきりしています。
いったいこの不思議な感覚はなんなのだろう……この気持ちを書き留めておきたい、そう思いました。
すでに10曲近く聴いている癒し系音楽がまた変わったとき、わたしは手を動かそうとしてみました。
わずかですが、動きます。すぐに四肢に普通の感覚が戻ってきました。
あの感覚をもっと味わっていたい気もしましたが、わたしは起き上がり、いまこうしてノートパソコンのキーボードを打っています。
さて、こうして書き上げてみると我ながらよくわかりません。
頭痛や浮遊感は消え去りましたが、すっかり目が冴えてしまって眠れそうにありません。
とりあえず、いつもの不眠の夜が戻ってきているようです。
読みかけの本にでも戻ろうかと思います。
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