ただ、その2年半ほど前にうつの前触れだったのではないかというような状態になったことがあります。
当時わたしは、転勤した先輩のもっていた大きなプロジェクトの後任をまかされました。
最初は「大事な仕事をやらせてもらっている!」と意気込んでいたものです。
ところがこのプロジェクトが難物でした。長期にわたって続けられてきた仕事で、何人も担当者が変わっており、細部の運用がその時々によって大きく違うのです。
わたしが命じられたのは、このめちゃくちゃになったプロジェクトの内容を整理して本社に提出すること。
それも、4月に始めて締め切りは6月でした。
あわてて作成した第1稿の報告書はものの見事に不許可。全面的な作り直しを要求されました。
それからは徹夜の毎日です。
上司と打ち合わせて作ったものは本社の担当者に蹴られ、本社の担当者がOKしたものは上層部で否決され、何度修正したかは見当もつきません。
次第にわたしはグチっぽくなり、胸をかきむしられるような焦燥感に悩まされ、妻の(現在では「元」妻ですが、このように表記します)作ってくれた弁当を食べながら涙ぐんだりもしました。
妻に「仕事を辞めたい」とこぼしたことも何度もありました。当時の妻は「辞めたければ辞めてもいいよ」と言ってくれましたが、優柔不断なわたしは辞職を決意することもできず、半年間禁煙していたタバコを吸いながら深夜まで半泣きになって仕事をしていました。
梅雨が終わるころにようやく整合のとれたプロジェクト報告書として承認され、その後はこのように涙もろくなるような情緒不安定な状態になったことはありません。
しかし、今にして思えばこれがわたしのうつの始まりだったのかもしれません。















